えべっさんとは
「えべっさん」とは、戎様が関西弁になまってえべっさん、神様のことを「かみさん」と呼ぶのと同じ、関西人が親しみを込めて呼ぶ言い方のようです。
関東で育った私は、関西に来るまではこのお祭り?はまったく知らず、関西の友人たちは、えべっさんが終わらないとお正月が終わらない、そんな風にいい、今日はあっちのえべっさん、明日はこっちのえべっさんと足繁く出かけます。
えべっさんは七福人の独り、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の息子とされ、その血筋からは想像できない、苦労人だったそうです。
あのふくよかな顔の福耳にもかかわらず耳が悪く、三才まで足が立たず、それを理由に船で流された漂着先が現在の西宮なんだそう。格の低い神様とされており、逆にそれが判官贔屓の気質が強い、関西で受けたとか。
そんなことをまったく知らなくても、漁業神、五穀豊穣の神、福の神、遠くの海からやってきた人々を幸せにする神様だけあって、大阪の人は七福人は知らなくても、えべっさんはみんな知ってる神様だといいます。
えべっさんの日程は各地の神社すべて同じで、毎年1月9日の宵宮に始まり、10日の十日戎、11日の残り福の3日間、大変な人出賑わいます。
私も関西に移り住むようになってからは、足繁くえべっさんへ通い、3日間毎日出かけるほどになってしまいました。
大阪界隈の三大えびっさん
毎年たくさんの参拝者で賑わう、大阪界隈でえべっさんと言えばこの三社です。
西宮神社
何といってもえべっさんとして有名なのが、西宮神社です。全国三千社のえびす神を祀る神社の総本山で、十日戎に行われる「福男選び」は毎年ニュースで見ることのない年はありません。
今宮戎
大阪の南地区の方が出かけるのが今宮戎神社です。
今宮戎には面白いお参りがあって、本殿でのお参りの後に裏側へ回ると、銅鑼があります。その銅鑼を叩いて「えべっさん、よろしく」と念押しのお参りをするのです。
えべっさんは耳が遠く、いつもうとうとしているそうで、銅鑼を叩いてしっかりとお願いを聞いてもらうという訳ですね。
本宮の日は、福娘やタレントたちをのせて大阪ミナミを練り歩く宝恵駕籠(ほえかご)やとんでもない数の夜店が楽しめます。
堀川戎
対して、大阪の北、「キタのえべっさん」は天神橋筋商店街のほど近いえべっさんが堀川戎です。普段は静かなお参りが出来ますが、えべっさんの時の賑わいは凄いです。
福笹の飾り方
「商売繁盛で笹もってこい」という楽しい賑やかな掛け声が、えべっさんをお祀りする各神社では聞こえてきます。
お参りの際には、福笹を求めるのがえべっさんです。竹や笹には神霊が宿るといわれ、神事にはよく笹が用いられます。
竹はまっすぐに力強くみるみる伸びるために、生命力や発展を願うという意味と、えべっさんが持つ釣り竿に見立ててるという話です。
各神社によって違うのですが、まずは笹を求め、その笹に子宝、吉兆と呼ばれる飾り付けを福娘に付けて貰います。鯛や小判に小槌に米俵、子宝を付けてもらったた笹は福笹と呼ばれて縁起物として持ち帰り、来年のえべっさんまで自宅でお祀りするのです。
福笹は御札と同じで、神棚にお祀りします。神棚がない場合は、清潔な場所に、東か南に向けて、大人の目線よりも高い場所に、設置するとよいそうです。
福熊手に福箕もえべっさんの縁起物です。熊手は福かき集める、箕は福すくい取るという意味で、ここのところ私は奮発して、これらが全部詰まったえべっさんの縁起物を持ち帰ります。
熊手に福笹、箕のえべっさんに小判に千両箱、烏帽子に小槌、米俵、鯛、の豪華版です。
その他のえべっさん
西宮、今宮戎とならんで、日本の三大恵比寿と呼ばれる、京都ゑびす神社なども有名ですし、それよりも、私の堺のえべっさんの様に、地域に根付いたえべっさんが必ずあるのが関西なのです。
毎月お参りする、住吉大社の初辰さん。住吉大社にもえびっさんがおられ賑やかにたくさんの参拝者が訪れるようです。
堺 菅原神社
仕事場の近くにあるために、氏神様の一つとして、毎年必ずお参りするえべっさんの一つが堺のえべっさんが菅原神社です。
名前の通り、道真公を祀る仁左でもあり、地元ではえべっさんだけではなく、天神さんとしても親しまれています。
大阪市旭区 大宮神社
大阪市旭区の氏神様、大宮神社のえべっさんです。
自宅からそう遠くないえべっさん、地域の人がたくさんお参りに来られ賑わっています。